チキナーごはん

ネコおばさんの田舎暮らし

カレッジ ー編入後 3年生ー

コミュニティーカレッジとユニバーシティーは本気度が違った

 

4年制大学に編入の2010年秋学期

3年生としてスタート

 

開校してまだ20年ちょっとのその大学は

校舎が近代建築で丘の中腹に建っており見晴らしが素晴らしかった

1番のお気に入りは図書館

広い窓から見る眺めは開放的で

読書室には暖炉があり

柔らかいソファーや肘掛椅子、ロッキングチェアーがゆったりと配置されていて

しかも1階にはスターバックスが入っていた😁

 

2年で卒業を目標に、バイトをせず勉学に集中することにした

専攻を、好きな”数字”を扱う会計金融に絞り

それに伴う必修科目を登録

 

どのクラスも初日から課題を出され、とにかく忙しかった

学期開始から2週間後

ビジネスのクラスで問題が発生した

 

週に1回3時間のクラスで

先生が40人ほどの生徒を7つのグループに分けた

課題は、グループ毎に会社を設立し

CEO、人事部長、マーケティング部長を決め

計画書を作成し3週間後に発表

 

私のグループに外国人は私だけ

周りを見ると、各グループに外国人が必ず1人以上いて

Diversity(ダイバーシティ/多様性)を重視してるのが読み取れた

 

CEOも部長職も立候補であっさり決まり

さて会議に入ろうかって時に

うちのグループのCEOが手をあげ、先生に言った

「足手まといになるので、うちに外国人は要りません」

おもむろに私を指さした

ええっ? 私? 会社が始まる前にクビ??

「ごめんね あなたの事嫌いじゃないのよ でも私達はこの課題で1番をとりたいの」

申し訳なそうに人事部長

どうも私が席を外してた間に決定したようだった

 

クビ宣告にどう反応していいのか分からず

困惑していると

そのうち他のグループからも

「うちも要らない」「うちも」と一斉に外国人クビ宣言

そのうち一人が

「外国人だけで会社を作ればいい そしたら全て丸く収まる」

得意げに言い出し、クラス全体が妙な雰囲気になった

 

それまで黙って聞いていた先生

ゆっくりと口を開き

「君らは会社に入って配属された部署に外国人がいたら他へ移動させろと上司に掛け合うのか? 多種多様な人種がいるから違うビジネスアイディアが生まれるのではないのか?」

と諭すようにCompliance(コンプライアンス/企業倫理や社会規範に従うこと)について説明を始めた

 

そのクラスで一番年上の私の目標は「卒業」

それに対し、20歳以上離れている若い生徒達は

「起業」や「就職」という卒業後を見据えたゴール

目指しているものが全く違う

日本以上に学歴社会のアメリカでは、成績は一生付きまとうもの

課題に対して取り組む姿勢が違うんだと実感

 

クラス終了後にグループから謝罪があった

「許して悪気がなかったの このままだとグループの印象が悪くなる」と涙声

その時にはもう私の中で、クラスをやめる決心が固まっていて

許す許さないではなく

私には彼らのように、成績の為になりふり構わずなんて事ができないし

このままだと本当に足手まといになりかねないと感じたからだ

 

先生にきちんと理由を説明し

グループに制裁を加えないよう頼み円満にクラスをやめた

 

この出来事は私の中に小さな違和感を芽生えさせ

ただそれが何なのか、その時はまだわからなかった

 

やるべきことが山のようにあり

大学3年生の1年間は駆け足で過ぎていった